ただいまと言える場所がひとつなくなる
実家を片付ける日にちが決まった。
母親が施設に入居してから2ヶ月、
どうしても心も身体も動かない、整理がつかない実家。
あれこれと考えるだけの2ヶ月。
冬になるまえにやらなきゃと
今日、整理業者に見積りをしてもらい
依頼したときにかけられた言葉で
実家を片付けることを躊躇していた本当の気持ちに気がついた。
今の実家は私が嫁いでから両親が引っ越しして私は暮らしたことはないけど
両親が過ごしてきた空間は私にとっても自分の半分みたいなものだったのだ。
父が過ごしていた部屋。
亡くなって9年、
でもまだどこか父の温もりのようなものがある。
父が好きだったもの。
母が好きだったもの。
いつもそこは私が帰ることができる場所だった。
生まれ育った場所。
ただいまと言える場所がひとつなくなる。
整理業者さんの方がとても良い人で
思わずよろしくお願いいたしますといいながら
思わず泣いていた。
11月10日、ありがとうと言いながら
実家とお別れしようと思う。
そして父の仏壇と共に私の今のおうちにただいまを言おう。
お父さん、これからも見守っててね。